認知症の方が帰りたいと訴える原因と具体的な対応方法を解説。現場で使える関わり方やNG対応も分かりやすく紹介します。
認知症の家族と過ごしていると、
「家に帰りたい」と言われて、どう対応すればいいか悩んだことはありませんか?
現場ではよくある場面ですが、対応を間違えると不穏につながることもあります。
「帰りたい」と言われたときの具体的な対応
認知症の方が「帰りたい」と訴える場面では、否定せず・受け止めることが基本になります。しかし、実際の現場では「どう声をかければいいのか」「どこまで対応すればいいのか」と迷うことも多いです。
ここでは、すぐに実践できる対応を具体的に紹介します。
① まずは気持ちを受け止める
「ここがあなたの家ですよ」と正論で返したくなる気持ちはよく分かります。でも、それは逆効果になることがほとんどです。
代わりに、こんな声かけをしてみてください。
- 「帰りたいんですね」
- 「おうちが気になりますよね」
- 「どんなおうちですか?」
ポイントは、事実ではなく気持ちに寄り添うことです。
② 理由をさりげなく探る
「帰りたい」の裏には必ず理由があります。
- 不安(ここにいて大丈夫なの?)
- 役割意識(家事をしなきゃいけない)
- 寂しさ(家族に会いたい)
- 過去の記憶(若い頃の家に帰りたい)
直接「なんで帰りたいんですか?」と聞くのではなく、会話の中で自然に引き出すのがコツです。
③ 安心できる言葉をかける
理由が見えてきたら、それに合わせて安心感を与えます。
例えば:
- 「ご家族には連絡してありますよ」
- 「今日はここでゆっくりしていきましょう」
- 「一緒に少し休みませんか?」
ここで大切なのは、その人の世界観を否定しないことです。
④ 気持ちを切り替える(転換)
気持ちが強くなりすぎているときは、無理に説得せず、自然な流れで意識を別に向けることが効果的です。
- お茶やおやつに誘う
- 散歩やレクリエーションに誘う
- 役割をお願いする(「これ手伝ってもらえますか?」)
特に「役割」は有効で、自分の存在価値を感じられると安心につながります。
⑤ どうしても帰宅行動が強い場合
どうしても外に出ようとする場合は、安全を最優先に対応します。
- 無理に制止しない(興奮を強めてしまう)
- 一緒に少し歩く(付き添い対応)
- 落ち着くタイミングを見て誘導する
現場では大変ですが、「止める」のではなく「寄り添いながら守る」という視点が大切です。
現場でよくあるNG対応
ついやってしまいがちな対応も整理しておきます。
- ❌「ここが家です」と強く否定する
- ❌「帰れません」と突き放す
- ❌無視する・話を流す
- ❌力で制止する
これらは不安や不信感を強め、結果的に行動を悪化させる可能性があります。
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「帰りたい」と言う背景には、今回紹介したように様々な理由があります。
他の対応も知っておくことで、より安心した関わりができるようになります。
まとめ
認知症の方の「帰りたい」は、単なるわがままではありません。
それは
👉 不安
👉 寂しさ
👉 安心したい気持ち
の表れです。
だからこそ私たちは、
「帰らせるか・止めるか」ではなく、気持ちにどう関わるかを考える必要があります。


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