「何度も歩き回っているけど、どうしたらいい?」
「家に帰ると言って外へ出ようとする」
認知症の方の「徘徊」や「ひとり歩き」に、どう対応すればいいのか悩むことはありませんか?
介護現場では、安全を守ることも大切ですが、ただ止めるだけでは本人の不安や行動の原因が分からないこともあります。
この記事では、
- 認知症の方が歩き回る原因
- 現場でできる対応
- やってはいけない対応
- 安全を守るために大切なこと
について、分かりやすく解説します。
認知症の「徘徊・ひとり歩き」とは?
認知症の方が目的なく歩き回っているように見えることがあります。
以前は「徘徊」という言葉が一般的でしたが、本人には本人なりの目的や理由がある場合もあります。
例えば、
- 家に帰ろうとする
- トイレを探している
- 誰かを探している
- 仕事に行こうとする
- 落ち着かず歩き回る
などがあります。
一見すると「意味のない行動」に見えても、本人にとっては何か理由があるのかもしれません。
認知症の方が歩き回る主な原因
① 「家に帰りたい」という気持ち
認知症の方から、
「家に帰らないと」
と言われることがあります。
今いる場所を自分の家だと認識できなかったり、昔住んでいた家を思い出したりして、帰ろうとすることがあります。
こうした行動については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
② 不安や落ち着かなさ
慣れない環境や周囲の状況が分からないことで、不安になることがあります。
「ここはどこなんだろう?」
「何をすればいいんだろう?」
という気持ちから、歩き始めることもあります。
③ トイレなどの目的がある
本人はトイレに行きたいと思っていても、場所が分からず歩き回っている場合があります。
まずは、
「何か困っていることはないか?」
と考えてみることが大切です。
④ 昔の生活習慣
長年の生活習慣が行動として表れることもあります。
例えば、仕事をしていた方が、
「仕事に行かなくては」
と言って歩き出すことがあります。
本人にとっては、今でも大切な日課なのかもしれません。
⑤ 不穏や環境の変化
不安や混乱が強くなっていると、落ち着かず歩き回ることがあります。
特に夕方から夜にかけては、環境の変化や疲れなどから不穏が強くなる方もいます。
こちらの記事も参考にしてください。
徘徊・ひとり歩きへの対応方法
① まずは無理に止めない
危険がない状況であれば、いきなり制止するのではなく、少し様子を見ます。
「何をしようとしているのかな?」
と考えることで、原因が見えてくることがあります。
② 本人の目的を確認する
「どこへ行くんですか?」
と問い詰めるより、
「何か探していますか?」
「一緒に行きましょうか?」
など、安心できる声かけをしてみましょう。
③ 一緒に歩いてみる
安全を確保できる場合は、少し一緒に歩いてみるのも方法の一つです。
歩くことで気持ちが落ち着く方もいます。
ただし、転倒などの危険がある場合は、安全確保を優先します。
④ 気持ちを受け止める
例えば、
「家に帰りたいんですね」
「気になっていることがあるんですね」
と、まず気持ちを受け止めます。
本人の訴えをすぐに否定するのではなく、安心できるように関わることが大切です。
⑤ 環境を確認する
歩き回ることが増えたときは、
- トイレに行きたい
- 喉が渇いている
- 暑い・寒い
- 痛みがある
- 眠れていない
など、身体的な原因がないかも確認します。
急に行動が変わった場合は、体調の変化が隠れている可能性もあるため、必要に応じて看護職や医療職などに相談しましょう。
やってはいけないNG対応
❌「どこ行くの!」と強く怒る
本人は本人なりの理由で歩いている可能性があります。
強く叱ることで、不安や混乱がさらに強くなることがあります。
❌ 無理やり座らせる
危険を避ける必要がある場合を除き、ただ行動を止めるだけでは原因の解決になりません。
❌「ここが家ですよ」と何度も言い聞かせる
本人が納得できない状態で繰り返し説明すると、かえって不安になることがあります。
安全を守ることも大切
本人の気持ちに寄り添うことと同時に、安全への配慮も必要です。
特に、
- 転倒の危険
- 外へ出てしまう可能性
- 階段や段差
- 夜間のひとり歩き
などには注意しましょう。
一人で抱え込まず、職員間で情報を共有することも大切です。
「いつ歩き始めるのか」
「どこへ行こうとするのか」
「どんな声かけで落ち着くのか」
などを記録しておくと、次の対応につながります。
まとめ
認知症の方の「徘徊・ひとり歩き」には、本人なりの理由が隠れていることがあります。
大切なのは、
「どうして歩いているんだろう?」
と考えることです。
帰りたいのかもしれない。
トイレを探しているのかもしれない。
不安なのかもしれない。
昔の習慣が出ているのかもしれない。
行動だけを止めるのではなく、その人の気持ちや目的を考えることが、より良いケアにつながります。
そして何より、本人と周囲の安全を守ることを忘れないようにしましょう。

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